イギリスの幼児教育の特徴は、まず無償で行われているということです。同国の義務教育は5歳からですが、その前の2年間(3~4歳)、保護者が希望すれば、2.5時間×週5日・年間38週の教育が無償で受けられるそうです。
公立か私立かなどの別を問わず、一定条件を満たしていれば、人数分の経費が政府(地方自治体)から支給される仕組みです。このイギリスの幼児教育助成金制度は、少子化に悩む日本も参考にすべき点なのかもしれません。
またイギリスの幼児教育には、「プレイグループ」の存在も欠かせません。これは非営利で保護者やボランティアによって運営され、週に数回、最大4時間、子ども達が遊びながらさまざまな社会性を身につけるためのものです。
イギリスといえば、豊かな自然溢れる公園が点在している印象もありますが、意外にも子ども向け遊具がある公園はそう多くないそうです。しかも同国は雨が多く気温も低めで、秋から春にかけての半年は戸外で遊べない日も多いため、子どもの遊び場所の確保には苦労するようです。
そのためイギリスでは、幼児教育の貴重な場としてこのプレイグループがかなり浸透しており、教会のホールや公共施設などで子どもを遊ばせつつ雑談する母親の姿がよく見られます。
地域の年配者がボランティアで参加者の世話をすることも多く、貴重な世代間交流の場ともなっているようです。個人的には、日本でもこのような仕組みをどんどん取り入れたらいいのではと思います。
またイギリスの幼児教育のもう一つの興味深い特徴は、「チャイルド・マインダー」という資格があることでしょう。この肩書きは、近親者以外で、生後数ヵ月から8歳までの子の保育を自宅で1日2時間以上行う人に付けられるものです。
預かることができる子どもの数は、自分の子どもを含めて6人です。少人数制なので目が行き届きやすく、また自宅なので、幼稚園等よりアットホームな形で保育が行われる点が魅力といえます。
100年ほど前に生まれたこのチャイルド・マインダーは、現在イギリスの幼児教育の一環として、正式な国家職業基準資格となっています。きちんとトレーニングを受けて資格を取得し、地方自治体に登録する仕組みです。
日本では「認定保育ママ」と呼ばれており、民間資格としてなら取得可能です。日本でもひと昔前は、近所の子ども達をまとめて面倒みていた「おばちゃん」が必ずいたわけで、これもとても良いシステムだという気がします。
イギリスに限らず幼児教育のシステムは、各国さまざまな特徴があります。少子化対策が急務である日本も、このような諸外国の仕組みの長所をより積極的に取り入れていくべきだと思うのですが、いかがでしょうか。